1. 本助成で行った活動の概要

この度は「赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 居場所を失った人への緊急活動応援助成」による多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございました。本助成を受け、コロナ禍の長期化により社会的に孤立し、対人関係に深刻な不安を抱える方々を対象とした支援事業を実施いたしました。

活動の柱は、①安心して過ごせる「居場所」の提供と、②他者との交流のきっかけとなる「交流会」の開催です。

①の居場所事業は、毎週火・水曜の週2日、年間96日間にわたり開設し、延べ336名の方にご参加いただきました

ここでは、農作業などの共同作業や、自分の感情を理解し他者との関係を築くための学びであるSEL(社会感情学習)を取り入れたプログラムを提供しました。面と向かって話すことに抵抗がある方でも、作業や楽器演奏といった共通の活動を通じて、自然なコミュニケーションが生まれる場となるよう配慮しました。また、希望者には宿泊の機会も提供し(延べ126名)、より深く自己と向き合い、他者との信頼関係を育む時間を確保しました。

②の交流会は、参加しやすい休日に2回開催し、計28名が参加。普段の居場所活動の成果を試すステップとして、新しい出会いへの不安を「楽しみ」に変えるきっかけを提供しました。

本事業全体を通して、延べ364名の方に支援を届けることができました。

2. 活動の成果

本事業を通じて、参加者の対人不安が大きく軽減され、社会参加への意欲が向上するという顕著な成果が得られました。

活動の前後で対人関係への意識変化を測るアンケート(5段階評価、回答数185通)を実施したところ、「人間関係への不安度」は参加当初の平均1.3(非常に不安)から、参加後には3.1(あまり不安ではない)へと劇的に改善しました。また、「新しい人間関係を築くことへの意欲」についても、当初の1.6(持ちたくない)から3.3(どちらでもよい/できれば持ちたい)へと大きく向上し、内面的な変化が数値としても明確に示されました。

アンケートの自由記述や日々の交流の中では、「人と関わるのは、本当はすごく楽しいことだったんですね」「ここに来るまで忘れていた感覚です」「新しい職場でもやっていけるかもしれない、と少し自信がつきました」といった前向きな声が数多く寄せられました。当初は表情が硬く、他者と視線を合わせることも難しかった参加者が、活動を通じて笑顔を取り戻し、自ら他者に話しかけるようになるなど、目に見える変化も多々ありました。本活動が、彼らが孤立から抜け出し、再び社会へと歩み出すための確かな一歩となったことを確信しております。

3. 課題と今後の取り組み

本事業は参加者に大きな変化をもたらしましたが、その活動を継続していくための運営基盤の安定化が今後の重要な課題です。特に、持続可能な財政モデルの構築が急務であると認識しております。

この課題に対し、今後は以下の3つの取り組みを推進してまいります。

第一に、事業の自立性を高めるための収益モデルの検討です。これまで無料としていた居場所事業について、参加者の経済的負担にならない範囲で、運営協力費といった形での一部有料化を慎重に検討します。サービスの質を維持・向上させつつ、参加へのハードルを上げないよう、丁寧なバランス調整を行います。

第二に、支援の担い手を増やすためのボランティア制度の導入です。特に、本事業を通じて回復した参加者の中から、自身の経験を活かして新たな参加者を支える「ピアサポーター」としての活躍を期待しています。支援される側から支援する側へと回る好循環を生み出すことで、活動に深みと持続性をもたらします。

第三に、地域連携の強化です。今後は地域の行政(福祉課など)や他のNPO、社会福祉協議会といった専門機関との連携を深め、より多角的な支援ネットワークを構築することで、個々のニーズに即した切れ目のないサポート体制を目指します。

4. 寄付者へのメッセージ

本事業を温かく支えてくださったご寄付者の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。皆様からの貴重なご寄付がなければ、この活動は実現できませんでした。

皆様から頂いた農機具は、参加者全員が一体となって土に触れ、共同作業の中から自然な会話と笑顔が生まれるきっかけとなりました。布団カバーや枕は、遠方から来た参加者が安心して夜を過ごし、心を開いて語り合うための温かい環境を提供してくれました。また、高性能のパソコンのおかげで、私たちの活動の様子を動画で発信し、社会の無関心という壁を越えて、孤立に悩む人々の存在を伝える力強いツールを手にすることができました。

皆様のご支援は、単なる物品の購入費にとどまらず、社会とのつながりを失いかけていた一人ひとりに「あなたは一人ではない」という温かいメッセージを届け、再び前を向く勇気を与える大きな力となりました。「誰一人取り残さない」社会の実現に向け、皆様の想いを引き継ぎ、私たちはこれからも活動を続けてまいります。本当にありがとうございました。

本活動は、赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 「居場所を失った人への緊急活動支援助成」を受けて活動させて頂きました。
ご寄付いただいた方々、熱く御礼申し上げます。

https://mina-machi.org/wp/wp-content/uploads/2025/06/共同募金_居場所ロゴ_決定.pnghttps://mina-machi.org/wp/wp-content/uploads/2025/06/共同募金_居場所ロゴ_決定-150x53.pngヤス活動紹介1. 本助成で行った活動の概要 この度は「赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 居場所を失った人への緊急活動応援助成」による多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございました。本助成を受け、コロナ禍の長期化により社会的に孤立し、対人関係に深刻な不安を抱える方々を対象とした支援事業を実施いたしました。 活動の柱は、①安心して過ごせる「居場所」の提供と、②他者との交流のきっかけとなる「交流会」の開催です。 ①の居場所事業は、毎週火・水曜の週2日、年間96日間にわたり開設し、延べ336名の方にご参加いただきました ここでは、農作業などの共同作業や、自分の感情を理解し他者との関係を築くための学びであるSEL(社会感情学習)を取り入れたプログラムを提供しました。面と向かって話すことに抵抗がある方でも、作業や楽器演奏といった共通の活動を通じて、自然なコミュニケーションが生まれる場となるよう配慮しました。また、希望者には宿泊の機会も提供し(延べ126名)、より深く自己と向き合い、他者との信頼関係を育む時間を確保しました。 ②の交流会は、参加しやすい休日に2回開催し、計28名が参加。普段の居場所活動の成果を試すステップとして、新しい出会いへの不安を「楽しみ」に変えるきっかけを提供しました。 本事業全体を通して、延べ364名の方に支援を届けることができました。 2. 活動の成果 本事業を通じて、参加者の対人不安が大きく軽減され、社会参加への意欲が向上するという顕著な成果が得られました。 活動の前後で対人関係への意識変化を測るアンケート(5段階評価、回答数185通)を実施したところ、「人間関係への不安度」は参加当初の平均1.3(非常に不安)から、参加後には3.1(あまり不安ではない)へと劇的に改善しました。また、「新しい人間関係を築くことへの意欲」についても、当初の1.6(持ちたくない)から3.3(どちらでもよい/できれば持ちたい)へと大きく向上し、内面的な変化が数値としても明確に示されました。 アンケートの自由記述や日々の交流の中では、「人と関わるのは、本当はすごく楽しいことだったんですね」「ここに来るまで忘れていた感覚です」「新しい職場でもやっていけるかもしれない、と少し自信がつきました」といった前向きな声が数多く寄せられました。当初は表情が硬く、他者と視線を合わせることも難しかった参加者が、活動を通じて笑顔を取り戻し、自ら他者に話しかけるようになるなど、目に見える変化も多々ありました。本活動が、彼らが孤立から抜け出し、再び社会へと歩み出すための確かな一歩となったことを確信しております。 3. 課題と今後の取り組み 本事業は参加者に大きな変化をもたらしましたが、その活動を継続していくための運営基盤の安定化が今後の重要な課題です。特に、持続可能な財政モデルの構築が急務であると認識しております。 この課題に対し、今後は以下の3つの取り組みを推進してまいります。 第一に、事業の自立性を高めるための収益モデルの検討です。これまで無料としていた居場所事業について、参加者の経済的負担にならない範囲で、運営協力費といった形での一部有料化を慎重に検討します。サービスの質を維持・向上させつつ、参加へのハードルを上げないよう、丁寧なバランス調整を行います。 第二に、支援の担い手を増やすためのボランティア制度の導入です。特に、本事業を通じて回復した参加者の中から、自身の経験を活かして新たな参加者を支える「ピアサポーター」としての活躍を期待しています。支援される側から支援する側へと回る好循環を生み出すことで、活動に深みと持続性をもたらします。 第三に、地域連携の強化です。今後は地域の行政(福祉課など)や他のNPO、社会福祉協議会といった専門機関との連携を深め、より多角的な支援ネットワークを構築することで、個々のニーズに即した切れ目のないサポート体制を目指します。 4. 寄付者へのメッセージ 本事業を温かく支えてくださったご寄付者の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。皆様からの貴重なご寄付がなければ、この活動は実現できませんでした。 皆様から頂いた農機具は、参加者全員が一体となって土に触れ、共同作業の中から自然な会話と笑顔が生まれるきっかけとなりました。布団カバーや枕は、遠方から来た参加者が安心して夜を過ごし、心を開いて語り合うための温かい環境を提供してくれました。また、高性能のパソコンのおかげで、私たちの活動の様子を動画で発信し、社会の無関心という壁を越えて、孤立に悩む人々の存在を伝える力強いツールを手にすることができました。 皆様のご支援は、単なる物品の購入費にとどまらず、社会とのつながりを失いかけていた一人ひとりに「あなたは一人ではない」という温かいメッセージを届け、再び前を向く勇気を与える大きな力となりました。「誰一人取り残さない」社会の実現に向け、皆様の想いを引き継ぎ、私たちはこれからも活動を続けてまいります。本当にありがとうございました。 本活動は、赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 「居場所を失った人への緊急活動支援助成」を受けて活動させて頂きました。ご寄付いただいた方々、熱く御礼申し上げます。~皆で創る幸せのカタチ~