居場所を失った人への緊急活動支援助成 活動報告

社会福祉法人 中央共同募金会の赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 「居場所を失った人への緊急活動支援助成」の助成を受け、コロナ禍の影響で社会的なつながり機会を失ったことで対人関係に不安を感じる人々を対象に、下記①、②を提供した。

目次

活動内容

①居場所及びSEL(社会感情学習)

毎週火、水 10:00-17:00 (活動日数96日、参加者述べ336人)。

気軽に来れる居場所を用意し、共同作業(農作業など)やSELを通して「自分の気持ちや感情を相手に伝える」トレーニングを行った。

自由時間には楽器演奏などを通して、面と向かって話すのがまだ苦手な人でも人と交流する楽しみに気づく機会を設けた。

希望者には宿泊を提供(述べ126名)し、じっくりと対人関係に対する不安を払拭する時間を取った。

②交流会 

全日x2回

2024.09.14(土)14名
2024.11.09(土)14名

 

スタッフは参加者に気楽な感じに話しかけ、人々との交流に不安を抱きやすい参加者たちがリラックスできるように努めた。

参加者は普段の居場所事業で顔を合わせたことがある人もいるが、初めましての人も多かった中、それほどの緊張も見られずに楽しい時間を過ごしてもらえた。

活動の成果

参加者に対して対人不安に関する下記のアンケートを行った(回答数185通)ところ、平均の値がどちらも参加当初から参加後で劇的に向上した。

A)参加当初1.3→参加後3.1
B)参加当初1.6→参加後3.3

A)人間関係に不安はあるか?

1 すごく不安
2 不安
3 そうでもない
4 まったくないわけではないがむしろ楽しみ
5 まったくない

B)新しい人間関係(職場など)に対して

1 新しい人間関係なんて持ちたくない
2 できれば持ちたくない
3 どちらでもよい
4 できれば構築していきたい
5 是非、構築していきたい

本活動の効果として「不安なく話せる関係を築けるようになる」ことを見込んでいたが、実際にその効果を得ることができた。

「人と関わるのって本当は凄く楽しいことだったんだ!」や、「新しい出会いがむしろ楽しみになった!」というような声も聞くことができ、明らかに表情が変わったケースも多く、対人恐怖症などにより社会に馴染むことができなかった彼らが、社会に復帰できるように成長することができた感じている。

課題と今後の取り組み

本事業は参加者に大きな変化をもたらしたが、その活動を継続していくための運営基盤の安定化が今後の重要な課題である。特に、持続可能な財政モデルの構築が急務であると認識している。

この課題に対し、今後は以下の3つの取り組みを推進する。

第一に、事業の自立性を高めるための収益モデルの検討である。これまで無料としていた居場所事業について、参加者の経済的負担にならない範囲で、運営協力費といった形での一部有料化を慎重に検討する。サービスの質を維持・向上させつつ、参加へのハードルを上げないよう、丁寧なバランス調整を行う。

第二に、支援の担い手を増やすためのボランティア制度の導入である。特に、本事業を通じて回復した参加者の中から、自身の経験を活かして新たな参加者を支える「ピアサポーター」としての活躍を期待する。支援される側から支援する側へと回る好循環を生み出すことで、活動に深みと持続性をもたらす。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次